2012年9月28日金曜日

いつも、いつまでも変わりなく過ごす

夕暮れ、日毎に昼の時間が短くなるのがはっきりとわかる季節になった。

この季節になると、往診に伺ったときの私の挨拶はついつい「遅くなってごめんなさい」になってしまう。暗くなってから家にお邪魔するのが申し訳ないのだが、お家の方は「先生、大丈夫でよ」と暖かく迎えてくれる。往診が終わったあとも、いつものように「また、なにかあったら連絡ください」と伝えると「夜分に先生にきてもらって申し訳ないですね。」と、今度も気遣っていただく・・・

永源寺で仕事をさせていただいて、この地域には、コンビニ受診と言われるような消費者意識で「医療を利用する」方はあまりおられないように感じることが多い。

この地域に住んでいる人々は、ご近所さん、酒屋のおじさん、お坊さん、市役所の方、介護スタッフ等いろんな人がいるが、お互いがお互いの立場を尊重し、支え合って生活している。
そのなかで、たまたま私が医師であっただけ、そのような感覚で仕事をさせていただいているのがとても嬉しい。

昨日も会議のあと往診が終わったのが午後5時すぎ、既に日は傾いていた。往診の帰りに見た田は稲も刈り取られ次の季節を迎える準備に入っているようだが、地域の人々の暮らしは、なんらかわりなく営まれている。
歳をとっても、一人暮らしであっても、認知症になっても、障がいがあっても、変わりなく安心して暮らすことができる地域でありたい。

高齢化の進んだ地域で、経済的な発展を目指すことは困難だろうが、別の価値観で評価されてもいいのではないか。しかし、皆が年老いても変わりなく過ごすために、何もしなくていいというわけではない。

地域のために自分たちができることは、きっとあるはず。
お金よりも大切なものが、きっとあるはず。
そんなことを、この地域の一人として、次の世代に伝えられればと思う。


2012年9月27日木曜日

今日も京都新聞で紹介

今日の京都新聞では、「三方よし研究会」が紹介されています。
東近江地域の地域包括ケアがとりあげられています。


2012年9月26日水曜日

京都新聞に紹介されました。

本日の京都新聞に「地域で支え合う〜永源寺の試み チームで高齢者ケア〜」が紹介されています。
多職種で、地域全体を支え合う永源寺地域の地域包括ケアシステムについて、よくまとめられた記事にしていただきました。


これからも専門職だけではなく、地域の皆さんと一緒に地域づくりに取り組んでいきたいと思います。

2012年9月25日火曜日

三方よしの活動が紹介されました

本日の中日新聞に三方よし研究会の活動と、小串医院の小鳥先生が紹介されています。

2012年9月24日月曜日

週刊文春に紹介されました。

東近江地域の医療福祉連携モデルである「三方よし研究会」を中心とした活動と当院の活動が紹介されました。

10月には東近江市で介護保険推進全国サミットも開催されます。

東近江の保健・医療・福祉の連携が注目されています。



2012年9月20日木曜日

桝田医院さんよりお知らせ

桝田医院さんより下記のようなお知らせをいただきました。
 
桝田医院さんは、院長先生が入院されるため10月12日より11月19日までの間、休診されるそうです。

この間、永源寺地域には医療機関が当院のみとなります。

桝田医院さんにかかりつけの方で、時間外も含め診察や緊急往診などが必要になられた方は、当院に御連絡ください。

2012年9月17日月曜日

当院のことが記事にされます

今週水曜日(19日)発売の週刊文春に当院と三方よし研究会のことが記事にされます。

在宅医療を理解していただく一助になればと思います。

2012年9月14日金曜日

鮎をいただきました。


持ってきたのは、外来に通う肝臓がんのおじいさん。

このおじいさん、10年近く前に肝臓がんを患い入退院を繰り返してこられました。

うちの外来に通われていた今年のはじめに、がんが再発。
病院で検査を重ねた結果、再発した場所が悪く根治できない癌と診断されました。

そう言われて、すぐに家に帰ってこられたのがお盆でした。
それから、毎日好きなことをして過ごしているそうです。


今朝も家の玄関をあけると「昨日、川に行って釣ってきたよ」とパックを差し出されました。
蓋をあけるとハラワタもきれいに処理してあり、とても美味しそうな鮎です。
今夜、塩焼きにしていただきました。とても美味しかったです。


おじいさん、「がん」を患っておられますが、とてもお元気です。


患者さんにいつもお話すること・・病気が治らなくても、病気と反対側にある元気を大きくすれば、相対的に病気は小さくなるんじゃないでしょうか。
住み慣れた家に暮らし、大好きな家族に囲まれ、近所の人達と今までどおりに接すること、それが我々の仕事と思っています。

繰り返しますが、

病気が治らなくて家に帰ってくるのは、
死ぬために帰ってくるのではなく、
生きるために帰ってくるのだと思います。


2012年9月11日火曜日

自立した永源寺地域を目指して


自立した永源寺地域を目指して
Food、Energy、Care
東近江市永源寺診療所
花戸貴司

いろいろなところで在宅医療・在宅看取りをテーマに講演会を依頼されることがあります。講演が終わった後に、皆さんから「少子高齢化のすすんだ田舎で、先生よく頑張っておられますね」という意味のことをよく言われます。田舎よりも都市部の方が便利ですが、今後も本当に過ごしやすい地域なのはどちらなのでしょうか?将来にわたって安心して生活できる地域とはどんな地域なのでしょうか。

以前、あるところで「今後、自立した地域社会に必要なことは、Food, Energy, Care」と教えてもらったことがあります。その地域でFood, Energy, Care (以下、FEC)を地域で循環させ、その地域でできるだけ自給自足できるように活動をするFEC自給圏という考え方だそうです。たとえば、食材(Food):地元でできた農産物をできるだけ使う(海産物もあるといいのですが、永源寺には海がありませんので農産物とさせていただきました)。旬の野菜はおいしく、栄養もよく、値段も安い、そしてなにより地元の農産物だから生産者の顔もみえ、安全も担保できます。また、残った食材はたい肥にするなどして地域の環境保全に役立てる。つきつめればゴミを少なくして、地域のゴミ処理費用・二酸化炭素排出量も少なくできます。なにより地域で営まれる農業が活性化することにより、地域の人がいきいきと暮らし、地域の田や畑、そして山などの自然と共生できることをすすめることができるはずです。
そしてエネルギー(Energy):震災後、節電はもちろんですが、今までの発電所からのエネルギーに頼るばかりではなく、自然エネルギーの利用促進が叫ばれるようになりました。どのエネルギーを選ぶかはここでは述べませんが、将来にわたり安全にそして安心して利用できるエネルギーを確保するためにも、個人や地域での自給自足が必要になってくるはずです。
最後に、福祉(Care):永源寺地域は高齢化率が30%を超え、高齢化においては他の地域よりも約20年進んだ地域です。ここで訪問診療などの在宅支援を行いながら日々感じることがあります。たとえば、高齢者を含めた支援が必要な人のサポートには大きく分けて、自助(自立支援、社会活動の参加など)、互助(地域の支えあい、ボランティアなどのインフォーマルサポート)、共助(医療保険、介護保険など)、公助(生活保護など)があります(図参照)。共助と公助については都市部も田舎も、ほぼ同等にうけることが可能ですが、花戸が最も重要と感じているのは「互助」の部分です。幸い永源寺地域には、ご近所さんとのつながりや、ボランティアの方々とのかかわり、地域の自治組織などといった互助の部分が多く存在してます。これは、我々専門職にとってはとても頼りになる存在なのです。つまり、我々医療者を含めた専門職の仕事である「共助」と地域のつながりである「互助」の橋渡しがうまくできていれば、年老いても、認知症になっても、障がいを抱えていても、あるいは一人暮らしであっても、地域の皆さんは安心して生活することができると信じています。実際にここ永源寺地域には「共助」と「互助」をうまくつながりあって、そして支えあっています。これこそが本来我々が目指す地域包括ケア(Care)じゃないかと思うようになりました。

このようなFEC活動により雇用を生むこと、経済的に成立するものを自給できれば、二次的な経済効果を生むことができます。自給にこだわりすぎてもいけませんが、今後、少子高齢化のすすんだ地域で安心して暮らすためにも、地域の自立はますます重要視されるのではないでしょうか。
経済的な成長や物質的な満足も大切ですが、地域における社会活動の持続性も、同様に、あるいはそれ以上に重要だと思ってます。次の世代である子や孫達が大人になる30~60年後、永源寺地域に住む人達がどのような生活をしているのかをイメージすることができるよう、Food・Energy・Careの分野で自立した永源寺地域を目指すことができれば、自分達が年老いても安心して生活できる地域が継続できると思います。





2012年9月6日木曜日

医学生に対するメッセージ


先日、当院に施設見学に来られた医学生の皆さんにメッセージを書いてほしいと頼まれました。
読み手は、将来、滋賀県の地域医療を担ってくれる医師の卵達です。




宿泊研修研修を引き受けて
東近江市永源寺診療所
花戸 貴司

「先生、ありがとう」
医学部に入って半年も経たない頃、患者さんから言われたことを今でも覚えている。はじめて診療所実習に行かせてもらったのは一年生の夏だった。診療所勤務の先輩医師と看護師さんから血圧測定の手技を教えてもらい、診察前に血圧を測らせてもらっていた。最初は後ろにいる先生に向かって言っているのかと思ったが、違う、こちらに向かって頭を下げてくれていた。当時は、なぜ私なんかに頭を下げているのか、わからなかった。血圧測定が終わって診察をする先輩の後姿を見ながらふと思った。血圧を測っている私への感謝ではなく、地域の人に「先輩のような医師になってください」と応援されているような気がした。
このことが今の私の原点だったかもしれない。
今回、現地研修の依頼があったときも、是非、永源寺の地とそこで生活されている人々の姿をみてほしいと思い引き受けた。当院の施設見学の後、学生の皆は地名にもなっている「永源寺」へ。お寺の住職をはじめお寺で働くスタッフの方々、観光ボランティアガイドさんが皆を迎えてくれたことだと思う。実は、研修を引き受けた時に一番最初に相談したのが地域の皆さんだった。皆さん気づかなかったかもしれないが、今回の研修では地域の皆さんが医学生の皆の訪問を大いに歓迎してくれていたのだ。
今後、卒業までに実習を行うのは主に大学病院になると思うが、病気を抱えた人は病院の中にだけいるわけではない。病院で診る患者さんは、ごく一部の限られた人たちであり、多くの人は病気を抱えながらも地域で生活をしている。
地域医療というのは、地域の人とともに生活し、地域の人に寄り添う医療だと思っている。
大病院にはできないことでも、診療所にしかできないことがある、と信じている。
またいつの日か、この滋賀の地で皆さんと一緒に仕事ができることを楽しみに待っている。

2012年9月5日水曜日

介護保険推進全国サミット in ひがしおうみ

昨日、往診から帰ると診療所に「介護保険推進全国サミット in ひがしおうみ」と書かれたノボリが届いてました。

今朝、早速玄関に設置しました。

来月の学会に向けて、盛り上がってきました。

学会中の10月4日5日は、診療所は休診とさせていただきます。

当院の在宅医療について

   ここ19年間の実績をまとめました。      死亡診断書枚数   在宅患者さん人数   訪問診療・往診のべ回数 2005年    12           66          492 2006年    17           70          553 2007年...